薄暗い灯かりを見る
爆音と花火の音が遠くに聞こえた
更に耳を澄ませると バイクと車の音が聞き分ける事が出来る様だ
あぁ 鐘の音が聞こえる・・・除夜の鐘の音?
そうだ・・・CBのサイドカバーに傷が付いていたな・・・クリアーしなくちゃ
・・・と・・・ほとんど寝ぼけている状態
寒い階段を下り台所へ
流し台の向こう側が バイクスペース
一台のバイクが辛うじて置けるスペース
2台置けば 人は通れなくなるほど狭い・・・けど
冬の夜中 家の中で単車をいじれるのは幸せだと思わなくては・・・(^^;
奥様には日頃より嫌味を言われ・・・『普通の家はテーブルなんかが置いてあるのに・・・
我が家は単車が置いてある』
あんたがそう言うレイアウトの絵を描いたんじゃない・・・(わたしの心の声)
暗闇に光の河
遠くで救急車のサイレンが鳴っている
はやる心を押さえ 飛び出して走りたい衝動を噛み殺しながら
窓から外を見る
赤いライトが横切る
エアコンから温かい空気が流れ 心地よさを感じる
あぁ いつの間にか床の間のライダーに成っちまったのか・・・
くそっ
いつの間にか奥様との時間を大事にする日々が続き
自分の・・・孤独の時間が無くなって来ている
贅沢で優雅な孤独の時間
寂しさと静寂に包まれ エンジンの鼓動と排気音に満たされる至福の時間
いつの間にか忘れ去られるのか
行く宛ても無く走り回った時はもう来ないのか
柵の無い 束縛も無い 本当の空虚で虚しい時間をもっと大事にしなくては
昔走った暗闇の路 側道から闇の声が誘い導く
恐怖と共に吸い寄せられ 気が付けば真闇に向かって走っている
深夜の26時
真っ直ぐ続く国道は 何も遮るものが無く永遠に続く
そんな至福の時間を 今一度取り戻したい
目的地は誰もいないパーキング
最高の懐かしさが生まれる この時間
今CBを眺めキャンピングチェアで居眠りしながら
思い耽っていた
贅沢な悩みだな・・・しかし 涙が出そうだ
くそっ なんか辛い
甘く切ない 恋にも似た至福の時間
PorcoRosso
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