引取りの許可が出て
警察署内の駐輪場へ向かう
薄暗い駐輪所の右の方に 我が愛車が佇んでいた
薄暗い蛍光灯の光に 美しく輝く黒いCB400T
本当に美しく感じた
黄色く薄暗い光の中で 我が愛車は その存在感を表していた
黒いガソリンタンク 大きなダブルのシート
直立した360度クランクの2気筒エンジン
太いメガホンマフラー
ヨーロピアンを漂わせながら アメリカンをも感じさせる
アップハンドル
当時のHONDAが4気筒より良く回ると豪語した2気筒エンジン
1気筒あたり3バルブであり
ショートストロークの
しかし中低速の強い 不思議なエンジン
そんな単車が 福知山警察署の駐輪場の一角を占領していた
その単車の姿を 私は
涙こそしなかったが
嬉しくて嬉しくて 人が見ていなかったら 飛び上がって
その嬉しさを表現しただろうと思う
どうやってエンジンに火を入れたか覚えていないが
きっと 感無量であったに違いない
あぁ我が愛車
愛おしいと言う言葉は この時の為にあったと言っても過言では無いだろう
私の股座の間で 2気筒のエンジンが鼓動し 息づいている
2気筒で在りながら 単気筒をも思わせる鼓動感がとても嬉しい
当時のHONDAは 本当に芸術的なエンジンを造ったものだ
相棒と二日ぶりに再会し 感激の出会いをした後
福知山警察署を後にしたのでした
つづく
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